このページではJavaScriptを使用しています。
Home > トピックス > 第5回専門学校ロボット競技会
第5回 専門学校ロボット競技会~優勝校を訪ねて~

第5回全国専門学校ロボット競技会(ロボットコンテスト)において、福岡県博多市の九州電気専門学校が団体優勝を獲得しました。

九州電気専門学校では、弊社製品であるマイコントレーニングキット「マイコントレーナー」を使ってマイコン制御の学習をし、短い準備期間ながら全国の強豪を相手に見事優勝を勝ち取りました。

このロボット競技会やマイコン学習の様子について取材をしました。

1. ロボット競技会

1996年11月23日(土)、東京晴海のHARUMIドーム21において、主催:専修学校教育振興会、後援:文部省、通商産業省、読売新聞社、報知新聞社で開催されました。 参加校は北は北海道から南は九州、沖縄まで全国13都道府県から26専門学校が集いました。東京からの参加校が一番多く8校が参加しています。


2. 競技の種類

有線型 ロボットを動かすコードが操縦者の手元まで延びているもの
自律型 ソフトウェア部門 認定機種のロボットを使い、操縦に依らずソフトウェアの優劣を競うもの
ハードウェア部門 自作のロボットを使い、ソフトウェア部門と同じコースで競うもの
バーチャルロボット コンピュータディスプレイ上のバーチャル・ロボットの動作をCGで表現する、アイディアの競技
3. 自律型競技(ソフトウェア部門)のあらまし

幅2~3m、全長10~15m程度の直線とカーブを組み合わせたコース上に様々な障害物を設置し、2校の自律型ロボットがこれをクリアしながら、3分間の制限時間内にゴール目指して進みます。ゴール迄は3つのガイド灯を頼りに、凸凹や坂などを含んだ障害の多い道のりを、対戦相手のロボットより早く、正確に進まなければなりません。

自律型ロボットはその規格のほとんどが予め決められており、自律進行するためのセンサ、障害物を感知する機構、そして全体を制御するプログラム(ソフトウェア)の優劣を競います。認定ロボットの性能を最大限引き出すソフトウェアの優劣が勝敗のキーポイントとなります。

団体戦は、2種目以上の競技に参加した学校の、各チームのトーナメント通過得点の合計を、その学校の参加台数で割った平均得点(1台当たりの得点)の高い学校に賞が贈られます。

4. 成績

九州電気専門学校は「めくばり山」「ひこ山」の2チームが出走しました。2チームのロボットは障害物を検知するバンパーの形状が若干違う仕様です。2チームは順当に勝ち上がり、奇しくも準決勝で同校同士の対戦となってしまいましたが、最終的には、優勝が「めくばり山」、3位が「ひこ山」と、他を圧倒する成績を納め文句なしの団体優勝を果たしました。


見事団体優勝

5. 勝負を決めたポイント
優勝した九州電気専門学校の「めくばり山」チームの皆さんと、情報通信工学科の鬼塚研吾先生に、優勝のポイントや苦心した点などをお聞きしました。
Q. 勝因は?

A. ロボットのソフトウェアが秀でていたことにあると思います。具体的には、ロボットがガイドを見失った時にガイド探すプログラムに細かい工夫をしたこと、状況をきちんと場合分けしたプログラム作りをしたことなどです。ハード的には、センサの指向性の付け方を工夫したり、バンパーの感度に凝った工作をしたりしました。学校の伝統であるコンピュータ制御の技術、工作技術をいかんなく発揮した結果でしょうが、さらにチームワークとメンバーの敢闘精神でものにした成績であると思います。

Q. 苦心した点は?

A. コースや障害物の詳細が事前に知らされないため、あらゆる場合を想定し、対処可能なプログラムを作りました。時間的な余裕がないことには苦労しましたが、これはどこの学校でも条件は同じなので、日程を管理し、普段の学習と本番直前の作業の効率的な作業をしたことがよかったと思います。

Q. 優勝できると確信していましたか?

A. 1回戦は突破したいな、と思っていましたが、ソフト部門優勝、団体優勝というのはびっくりしたと同時に光栄に思います。

Q. 今年(平成9年)も是非がんばって下さい。

A. ありがとうございます。がんばります。

6.九州電気専門学校

九州電気専門学校は、北九州は博多の市内に位置し、電気・電子・情報通信の学科に400人が学ぶ、75年の伝統を誇る電気専門学校です。生徒人数は決して多くはありませんが、その分きめ細かな充実した教育が行われています。電気技術・情報技術のますます発展する今日、実践に即した学習や自主性優先の教育システムを理念とし、これまでに多くの優秀な人材を社会に送り出しています。


九州電気専門学校のホームページへ



今回の取材では現役の生徒さんのお話も伺いましたが、楽しく、生き生きと勉強しているという印象がひときわ残りました。記者個人の感想ですが、先生と生徒のコミュニケーションがすごくとれていて、そんなところもマンモス学校とはひと味違って感じられました。


卒業生たちは、


「夢や目標は一人ひとり違っていても、必ず努力にこたえてくれる学校で学べたことを誇りに思います」


と語っています。

7. 九州電気専門学校の授業では
九州電気専門学校では、マイクロコンピュータ工学という科目の中でマイコントレーナーを取り入れています。1年間を通してマイコンの仕組みや制御について勉強する科目ですが、授業のうち1/4はマイコントレーナーを使って実習をする時間に当てているそうです。他の科目や、クラブ活動でも、マイコントレーナーを使って実験などに役立てているそうです。生徒さんや情報通信工学科の鬼塚研吾先生は、マイコントレーナーの使用した感想について語ってくれました。
生徒:

「マイコンの勉強は、教科書の上だけでは分かりにくかったり、わかったような気になってしまう。またワンボードマイコンだけを前にしても何から始めて行けば良いか戸惑ってしまう。 マイコントレーナーでは、トレーニングマニュアルを読みながら勉強を進めて行くととても分かりやすく、実際に使える知識が短期間で増えていきます。」



先生:

「市販されているCPUボートはいくつもありますが、授業で使うので頑丈そうなものを選びました。音楽機能などは、授業の最初に演奏させてみると生徒が興味を持ってくれます。マニュアルが丁寧で、回路図まできちんと載せてあるのは教師としてはありがたいですね。



鬼塚研吾先生

あえて注文を付けるならば、CTC(カウンタ)の実験が本体だけではできないことがあります。(*1)
あと、私たち教員を含めて、全国のマイコントレーナーユーザーのサポートをインターネットのホームページなどで出してくれるとありがたいですね(*2)」

(*1):CTCボードはマイコントレーナーのオプションとして用意されています。
詳しくはマイコントレーナーのページをご覧下さい。

(*2):マイコントレーナー・サポートページは近日公開予定です。