一般の電子回路は、目的によって回路毎に設計、組み立て、配線という方法で作られます。つまり、Aという回路とBという回路は、始めから違うものを作ります。それに対しマイコンの場合は全てCPUを使用し、働きの違いはメモリに記憶させるプログラムの違いによって実現するのです。これによって、目的ごとに違う回路を作る必要がなくなり、単にプログラムを作り、メモリに記憶させると言う仕事に置き換えられたのです。
この効果の1つはハードウェア的な量産であり、もう一つは作業のソフトウェア化です。少し前なら熟練した技術者でなければ取り扱えなかった装置を、電気の知識の全く無い人が容易に、しかも安価に扱えるようになり、マイコンに関わる人の底辺が広がったのです。 現在はパソコン上で高級言語のプログラムを作る事ができ、取り扱いも容易になってきて、コンピュータは益々人間に近寄ってきています。その根源は、電気信号のデータを記号で表すと言う、マシン語の記述がスタートになっている事は言うまでもありません。コンピュータの発展は、応用を電気の分野の外に広げて行く一方で、原点であるマイコンの理解が益々重要になってきています。